きいろい檸檬

とある4人組が終始私の心を押さえつけていた。

夢を追うものは何を得る

 

 

2020年3月1日

 

2019年4月から通っていた声優養成所2019年度最後のレッスン日となった

知らせは突然だった

前日の夜中にLINEの通知を見ると数字がでていた

「だれだろ?」

そんなことを呑気に思いながら開くと、私の通うクラスのLINEが動いているではないか

開くと

「みなさん、受講者専用ホームページみましたか?○日から休校って」

 

原因は言わずもがな、コロナウイルスである

私の大好きなNEWSの宮城公演も延期になった

たくさんのアーティストのライブが延期または中止となり

ディズニーランドを始め多くの商業施設で休園が決まり

公立学校の休暇が急遽きまった

 

その余波がうちの養成所にも来たのだ

まさに青天の霹靂

 

予定でいえばまだあと2週は講義に行くはずだった

そのために台本を頂き、覚えチームを組み

最後の発表をしようとみんなで予定していた矢先の出来事

 

信じられなかった

 

そして今日、3月1日

レッスン時間になると共に事務局の方が部屋に来た

「皆さんにお話があります」

内容は昨晩のグループLINEで言われていたとおり

「なので急ではありますが、今日がこのクラスの最後のレッスンとなります」

 

そっかぁ。

 

なんておもいながらいつも通りストレッチをしていつも通りの挨拶をして講師を迎える

「みんな聞いたよね?急だよね」

どうやら講師もあまりに急な決定に困惑しているようだった

「今日は最後なので、出席を取ります」

そうして、今年度最後のレッスンが始まった

 

いつも通り発声滑舌をして

表情筋体操

笑い

たるさくまる

ひとつひとつ、やっていく

終わっていく

 

最後に機材講習をした

本来なら機材講習をした後、機材をつかって最後の台本を演じる予定だった

これは来年度に向けての機材講習

もう今年度はこの機材をつかうことも無い

けどみんな真剣に聞いていた

私も真剣に聞いていた

来年度もこの養成所に通う人もいれば、今年度限りのひともいるだろうに

でもみんな真剣だった、そして楽しかった

 

最後の最後、私たちに与えられたフリートークの時間

私は2番目に発表した

 

「私は社会人2年目です

ずっと声優になる夢を諦めきれなくて社会人2年目の今やっとこの養成所に通うことが出来ました

通う中で、普段の仕事をしながらも

これでいいのか

このまま声優になれるのか

本当になれるのか

何度も何度も何度も

考えました

それでも、週に1度のこの3時間のレッスンが

私は本当に楽しかった

本当に、ありがとうございました。」

 

 

的なことを発表した

正直泣いていた

 

 

 

最後、講師の方が話してくれた

「このクラスは本当に個性的でみんな頑張るクラスでした。いいクラスでした」

 

(正直泣きすぎて覚えてない)

 

 

最後にみんなで挨拶してそのあと着替えて、個別に講師のところに行った

「本当にありがとうございました」

「よく頑張ったよ」

「もっと素をだせてればと思いました、」

「……一次審査だめだったの?」

「……。 はい、」

「そっか、でもそういうのは運だから

たまたま今回の審査員が求めている声じゃなかっただけで、〇〇は本当にセンスがある。次があるよ」

 

 

 

 

 

この言葉にどれだけ救われたか

もっと早く聞けていればよかった

私は進級と同時に行われる事務所直結オーディションにすべてをかけていたけど、結果は落選(連絡無し)だった

正直、落選だとわかった時はもうレッスンにいく必要ないと思ってた

実際、落選の落ち込みと生理前の鬱が重なってあまりにしんどくて1回ズル休みした

 

 

 

はぁ、

 

私の声優養成所1年目は唐突に幕を下ろした

 

だが、私は諦めの悪い女なので

まだ頑張ろうと思う

というより他に道はない。

 

人生かけた勝負1回くらいしてみたいし

挫折を知ってるやつの方が強いんだよ

 

次は絶対負けない

 

NEWSにも声優になりたいって言っちゃってるし

親にも言ってるし

諦めるとかありえない

 

いつも中途半端な人生だったけど

これくらいは頑張らせてよ

 

いつかの憂いも全て

孤独もかき消すように

まだ見たことのない7つの驚異が

そこに待っている

 

拝啓、あの日の僕へ

今ここで立っています

誰かに笑われた夢を

今もここで見続けてます

 

 

 

共に乗り越えてきた昨日までの私よ、もう少しだけ

力を貸しておくれ。

 

 

強欲で良かった

まだまだまだまだ足んねぇからな

 

絶対、エンターテイナーになってやる。